西穂~奥穂

2012年11月21日~23日

メンバー:あきら

コースタイム・天候:11/21(晴れ)新穂高ロープウェイ西穂高口駅(11:55)→西穂山荘(12:55)→西穂独標(14:05)→西穂高岳(15:25)→赤石岳(16:10)→赤石岳と間ノ岳とのコル(16:30) 11/22(雪のち曇り)幕営地(7:05)→間ノ岳(7:35)→間天のコル(8:05)→天狗ノ頭(8:25)→天狗のコル(8:45)→ジャンダルム(10:30)→奥穂高岳(12:00)→白出のコル(12:45)→白出小屋跡(15:20)→穂高平避難小屋(16:00) 11/23(雨)穂高平避難小屋(7:00)→新穂高温泉(7:35)

 

ここ数年恒例となっている初冬の北アルプス。とりわけ槍穂は冬山へのウオーミングアップには欠かせない。ということで、今年も謀略の限りを尽くして奪い取った平日2日間の休暇を手にして穂高に向かった。

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11/21 前日松本に入りいつもの公園で泊まる。バスを乗り継いで新穂高温泉に行くが、最近松本からのバスの始発時刻が1時間ほど遅くなり不便極まりない。しかし、ロープウェイに乗ると雪山の世界へまっしぐら。邪道だよなと思っていたが、使ってしまえばこんなに便利なものはない。ロープウェイ万歳。天気も申し分ない。

ロープウェイ終点から西穂山荘まではトレースばっちり。西穂山荘でアイゼンを着けるがハーネスは着けない。基本なめてるからね。

西穂独標までもトレースがあり、2組の登山者と行き会う。独標から西穂まではうっすらとした古いトレースのみ。地味にラッセルが出てきてペースは落ちる。西穂に着いたのはそれなりにいい時間だったが、好天の間に少しでも稼いでおきたいので先に進む。

 

西穂からジャンダルム(?)

 

ここからは技術的に少し難しくなり、2箇所ほど「マジか」という感じの急雪壁のクライムダウンがあった。この時期は雪がしっかりしていないのでその処理に意外と苦労する。また、スカ雪を踏み抜くと不安定な岩の上だったりするので、ラッセルの大変さも独特のものがある。

この日は赤石岳を越えた先の比較的広いコルに幕営。西穂奥穂間は幕営適地が多い。

 

こんな所で泊まってました

11/22 朝4時半頃起きると風雪でやる気がゼロとなる。ひたすらエスケープを検討するが、せっかく無理矢理休みを取って来たのにここで帰るのはやはりもったいないと思い返し、すっかり明るくなった6時過ぎから動き出す。吹雪の中テントを畳んで歩き出す時、正直冬山を辞めようと毎回思う。

 間ノ岳と天狗ノ頭を越える。どうせ一般ルートだからルーファイは楽勝だろうと高を括っていたが、実際は右往左往。最初は興ざめだぜとか言っていた岩に着いたペンキの丸印を、目を皿のようにして探す有様だ。情けない。

冬は通常懸垂になると思われる天狗のコルへの下降は幸い鎖が出ていたのでそれを頼りに下れた。すぐに止むと思っていた風雪は弱いながらも止まず、視界が相変わらず悪い。

天狗のコルからジャンダルムへの登りは技術的には問題ないが、ひたすら長い。天国まで登ってしまいそうだ。平らなコブ尾根の頭を過ぎ、小ピークのケルンの脇に板切れがあったので拾ってみると「登頂ジャンダルム」と書かれていた。えー、びっくり。

「登頂」は余計だろ

ジャンダルムは基部に戻って信州側からトラバース。しかし、この急雪壁のトラバースはかなり悪くて厳しかった。まともな人や長生きしたい人はピークから懸垂するべきだろう。

ロバの耳を越えた飛騨側のトラバースは鎖がほとんど出ていて助かる。ここは氷化していると悪いが、今回は全般的に氷に苦しめられることはなかった。

全く問題ない馬の背を通過すると念願の奥穂高岳。とはいえ風雪止まず、視界が少ないのでここからも気は抜けない。左に幾つも派生する支尾根を見送り、白出のコルに下降。

地獄とも言う

穂高岳山荘

思ったより大分早く到着できた。一瞬今日は北穂まで行って槍を目指そうかとも思ったが、いかんせん明日明後日の荒天が濃厚で、ハマる可能性が大きい。というのは言い訳で、要するに日和って下るというわけだ。

下降路の選択肢は3つ。①涸沢岳西尾根、②サイデングラード、③白出沢。①と②はこの時期に歩いたことがあってつまらないので、ここは男らしく最も短く最も危険な③を選択。一応、多分雪崩れないだろうという判断はして。多分ね。

白出沢は潜っても膝下程度で安定している。少し下ると降雪は止む。やはり風雪は主稜線のみだったようだ。白出大滝を高巻いた後の右岸をへつる部分は少し悪い。林道に出るとそこにはトレースがあった。

白出沢を振り返る

今日はこのまま下山したところで平湯温泉止まりなので、穂高平避難小屋に泊まることにする。ここはお気に入りの小屋だ。

 

11/23 雪ではなく雨の中下山。3連休の初日とはいえ、この雨の中を何組もの登山者たちが入山していく。槍を目指さずに下山してきた自分は完全に彼らにモチベーションの点で負けている。

とはいえ予定していたルートはどうにか歩けて、軽いながらも風雪を体験できて、また少し冬山に対する備えは出来てきたかな。

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One thought on “西穂~奥穂

  1. 諦めないで、平日に休みをとっていくとは!
    執念ですな。ということは、あれには参加するのですか?

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