谷川:一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜

10月13日(土)
天気:曇り、雨(壁)
メンバー:AKIRA、ばーち
記:ばーち

慰霊碑(4:00)-一ノ倉出合(4:40)-南稜テラス(6:00)-登攀開始(6:10)-6P終了(8:30)-
国境稜線(10:40)-一ノ倉避難小屋出発(11:05) -オキの耳(11:40)-トマの耳(11:50)-
厳剛新道分岐(12:30)-マチガ沢出合(13:30)-慰霊碑(14:00)

今回は、チームヒマラヤのSさんとAKIRAの土日の予定に、日帰りで参加予定だったが、
Sさんが体調不良で参加不可となってしまったので、AKIRAと日帰りとなった。
予てから、念願の南陵から稜線に抜けるルートを行くことにする。
南陵からのルートは。AKIRAでも行ったことないそうだ。

一人で往復の駆る予定だったので、ノリで赤いロードスターを借りてしまった。
さすがに二人だと荷物がパンパンだ!AKIRAの荷物をばらして、詰められるとことにぎうぎう
詰めて、そんなこんなで23時だよ。さぁ出発だ!

高速も空いていて快適に水上到着。コンビニで酒、食事を調達し土合へ。
1:30に無事到着。さて1時間半くらいは仮眠ができるね。

夜空を見上げれば、ナメック星やウソク星、オッサンク星などきらきら瞬いている。
あ!こりん星だ!いやいやそれは捏造だったね。いや妄想か?
「これは、行ける!」そうほくそ笑みながら缶ビールを飲み欲し、目を閉じる。
そんで、また目を開けてチューハイも開ける。

3時半にアラームが鳴る前に目を覚めす。ロードスターなんかで、寝れるかい!
(ちっとは、うとうとしましたよ)

4時、準備をして歩き出す。指導センターの水はちょろちょろ。
車両が通行禁止とはね、知らなんだ~、行きの車でAKIRAに聞くまで、知らなんだ~
う~む、無雪期に来たのはいつだっけ?あらら3年くらい前だのクラッカー。

旧国道を、世界情勢がなんだらかんだら、日本の財政がくんだらこんだら、
アメリケ大統領選候補の政策がオッ!マイガッ!とか、話をしながらてけてけと、
一ノ倉出合に到着。腹の荷物をトイレに出して、さて準備。

見ると、ヘッ電の明かりがうろうろと。
「むむむ、先手がいたか!?」
三脚かついだ金太郎カメラマンでした。

ヘルメット、ハーネスを装着して、さぁ行きますかね。
まだまだあたりは暗い。

今回は、ヒョングリの滝からではなくて、沢どおしに行きましょう。
とAKIRA
ヒョングリの滝のFixはしっかりしてるけど、沢の方のはごにょごにょ、ぐへへ。
とAKIRA
おーい、ぐへへてぇなんだ?ぐへへてぇさー
AKIRAすたすた。

沢を進むと、Fixをごぼうする場所が出てくる。
おいおい、ロープの芯でてんじゃねぇーかー。
それに、沢に落ちそうだし、靴がやたら滑るし。
そういや、5.10のアプローチシューズ買ったって、自慢してたねAKIRA
あれ、いいよなーステルスラバーだしな。お、おれんなんか、スベルッスラバーなんだぜぃ!

滑るは、落ちたくねぇわ、ごぼうだわ、AKIRAはぇーわで、息が上がる。
はぁはぁぜぇぜぇ、、、
離れたAKIRAに、息が上がっているのをばれないように、小さく息をする。
なんとかテールリッジを超えると、
少し休みましょうか?
とAKIRA

ん?なに言ってんだ?おめぇ?

ん?何言ってんだ、おめぇ?っと精一杯の平気な顔で、
ダイジョブッスYo、イッチャオゥゼィゼィハァハァ
と、よだれを少し垂らしながら、進む進む進む。
さすがは、余裕のAKIRA。一ノ倉に「ただいま」と言う男。
AKIRAすたすた。

南陵テラスに到着。
3年ぶりの南陵テラス。いろいろとなんだかんだで、来れなかった南陵テラス。
夜が明けてきた。いいねぇこの景色。また来れた。

夜が明けてきた

さぁてと、ギヤぶら下げて行きますかと、オーダーじゃんけん!!
わたしゃぁ負けました。AKIRAが一番槍。6:10にGo!!

1P(AKIRA)
まだ薄暗いなか、ロープを伸ばす。途中チムニーで手間取っているようだ。
あ、抜けたな。(無事にだよ、ハーケンが抜けたわけぢゃないYo)

1Pを行くAKIRA

「解除!」のコールが響く。そして、ロープが上がり「いーよー」のコール。
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・おっちゃん、どきどき。
べべべ、べつにびびってなんかないんだからね!しさびさだから、ききき、きんちょーぅ
してるだけだからね!!び、びびってなんか・・・
とぶつくさ言いながら、登攀開始。
て、手が冷たてぇ。久しぶりの本ちゃん、ルートファインディングに迷う。
3年前は、今よりも元気だったんで、バリバリ行ってたな。。。
わたしも、チムニーでフガフガ言いながら乗っ越す。ふぅ~。
お互いに、「手がやばいね」と。

2P(ばーち)
やっぱ緊張!あーこぇぃ。
ホールド探してうろうろする。3年前にどう登ったかなんて、覚えてねな!
うろうろしているうちに、ホールド掴んでる手が、感覚がなくなってくる。
あわわわ、こすったりして温める。足もだんだん。。。
そんで、少し濡れているとこがあり、突然!トゥル!っと滑るから、マイッタYo。
ちょっと迷ったけど、ビレイ点に到着。「かいじょー」とコール。
支点工作し、「いいよー」とコール。
手がかじかんで、ロープが引けねぇ。足がチメタイ。
AKIRAが冷静に上がってきた。さすがは、一ノ倉に「おやすみ」と言う男。

3P(AKIRA)
笹の茂る草付の歩き。あーあーここのリードがしたかったYo。。。
一応コンテで上がり、見上げる4P目。
3年前は、4Pのビレイ点を間違えて、馬の背に移るところが苦労したなぁと、
ぶつぶつ言っていると、どうやらAKIRAも前回間違ったようだ。
まぁ、行ってみますかね。

4P(ばーち)
だいぶ一ノ倉の感覚に慣れてきたが、手足の感覚がなくなってきた。
人は等価交換なんだね。ああ無情。
ハングを左に回り込み、そして凹角を上がりテラスへ。
あれ?これは、下降点か?もう少し上かな?と上がってみるが、
よく解ンネ。セルフ!「かいじょ~」さみぃしね。
ロープを引いていると、雨がぼたぼたと落ちてくる。
あああ、来たか。あっという間に岩がびしょびしょに。あらら。
AKIRAも、あーこぇーと上がってきた。トゥルッ!って滑んだよ。トゥルッ!ってよ!
振りかえると、2ルンゼにパーティがいる。この雨ルンゼはやんだなぁ。
ごくろうさまです。

5P(AKIRA)
ビレイ点もうちょっと上だったかな?6ルンゼ側だったかな?と
一応言い訳しといたが、まぁ行ってみましょうと、AKIRA。
さすがは、一ノ倉に「おはよう」と言う男。
でもね、もう雨でびしょびしょなんだよね。トゥルットゥルッ!さ!
うほーとか、言いながら上がっていったよ、AKIRA。
あと20!、あと10!、あと5!とロープが伸びていく。
もうちょっとなんだけどー
とAKIRA
んじゃ、あがるよー
とわたし
やっぱビレイ点早かったんだなーとぶつぶつ言いながら、登る。
すぐにぶつぶつからうひょぉぉぉーに変わる。
トゥルットゥルッ!だよ。トゥルットゥルッ!

馬の背を見上げる

馬の背に上がると、6P下のビレイ点にAKIRAがいた。
もう、手も足も感覚ありません。こするは叩くはは舐めるはで、進む。
あれ、馬の背ってこんなんだっけか?あれ?
うーんわからん。チベタイ。

6P(ばーち)
これで最後だよね?ここ核心だよね?とAKIRAに確認。
そうだっけ?もう1Pあったと思うよ。
そそうだっけかー?
まぁ行くか。と登攀開始。岩はヌレヌレ。そういや以前も雨だったな。
雨と南陵。そして今は秋。一ノ倉の少し色づいていますな。秋ですな。
とか、呑気ではなく必至であります。わたしゃぁ!
中間くらいで、気が付く。
やっぱここは6P核心ぢゃんか!!
振り返り、AKIRAに叫ぶ!ここ核心ぢゃん!!
そーおぉー
とAKIRA
だ、だまされたか!
あふあふしながら、最後の一手に。
もうね、足の感覚がなくて、細かいスタンスのれません。
足ぢゃなくても、手も保持できません。
そんなあなたにコレ!!とやさしく微笑むのは、さびたハーケンに
ぶら下がる、汚ねぇ細引きさん。
あああ、掴みたくない。あなたの世話にはなりたくない。やだやだ。
ガシ!ありがとう!細引きさん!ありがとう南陵!ありがとう一ノ倉!
掴んだら、迷いはない!ヌンチャクも男らしく、むんずと掴み終了点に乗っ越す。
雨もうやだ・・・
足下に、AKIRAが近づいてくる。AKIRAも寒さと核心と戦っているようだ。
ガンバ!AKIRA

最後の核心を登る
AKIRA!!

おれさー、そのスリング掴んぢゃったよーさみーしさー
とわたし
ぢゃぁ、俺も!
とAKIRA
おい、躊躇ねーな!!
そすて、AKIRAは、
いやー、俺絶対こんなとこリードしたくねぇよー
と言って上がってきた。
図ったな!?

テラスで、お疲れさんと声掛け合って、ロープを裁く。
さみーし、だりーし、風呂入りてーし、ビール呑みてぇーしのオーラを出して、
どうする?上はまだまだガスのなかだねー、やばそうだねー
とAKIRAに言ってみる。
そだね、これは同ルート下降のほうがいいよね。
とAKIRAも降る気だ。そうだよな、そうだよな、降るよな。

ロープを裁いて、下降の準備をしていると、AKIRAが
あら?ちょっと!雲とれてきたね!
おい、なんてこと言い出すんだ!行く気か!?
これで、行ったらまた雨降るんだぜー

まぁいいか、行ってみますかね。
と、ロープをザックにしまう。

烏帽子岩を右に見て、濡れたⅢ級程度の場所を登る。
Ⅲ級程度って書いたけど、濡れたに注目です。はい。
ここポイントね。

寒くてビレイグローブはめて登るが、足はもう感覚ない。
途中、アームバーほどのクラックがあり、先に行くAKIRAが、
ここやばいね。ロープ出せば良かったね!
と振り返り、ハーケンにセルフを取って越えて行った。
AKIRAすたすた。
やっぱ行くんだね。ロープは出してくんないのね。あーあー

あー疲れた。書くのも疲れた。

なんとか、濡れたⅢ級程度の岩場はクリアして、濡れたⅢ級程度の岩場ね。
膝下くらいの笹の藪漕ぎを歩く。
AKIRAすたすた。
ガスの中に消えていく(滑落とかしてないよ)

へたれ:「隊長!自分は遅れ気味であります!」
隊長:「なんだとぉ!急げ!」
へたれ:「少し休ませてください!」
隊長:「なんだとぉ!クソムシがぁー」
へたれ:「隊長!!」
隊長:「ヤスミタケレバ、オレノケツニKissヲシナ!!」
へたれ:「隊長!同胞のピザチョコフの様子がおかしいであります!」
AKIRAすたすた。
へたれ:「おい、がんばるんだ!ピザチョコフ!!」
ピザ:「ワ、ワタシハ、モフダメデプ。」
へたれ:「頑張るんだ、ピザチョコフ!もう少しだ!」
ピザ:「コ、コレヲ、コキョウノママンニワタシテクダサイ」
へたれ:「おい、ママンと二人で土合の階段を2往復するって、
そんなくだらねぇ夢語ってたじゃねぇーかー!」
ピザ:「コ、コレヲ、ピッザリーナニ・・・」
へたれ:「おい、国籍かわってねーかー?!しかも、食いかけのピザぢゃねーかー!」
ピザ:「・・・・・・デプ」
ひたれ:「ピーザーチョーコーフー!」
へたれ「ピザチョコフよ、お前のことは忘れない」
そして、ポケットに冷たくなった食いかけのピザをしまい、涙を拭い、
歩き出す。AKIRAすたすた。
とか、にたにたしながら考えていると、そこは5ルンゼの頭の取付きに。
さっき怖かったんで、念の為にロープを出す。
ばれないように、さっさとAKIRAのロープを持って、ビレイ器に装着!
んぢゃ、よろしくお願いします。とAKIRAを送り出す。
ゆっくりと、5ルンゼの頭に消えてった。
「いいよ」とコールが来て、登るとあちこちホールド浮いているは、逆層だわで、
やんなっちゃうさ。

ロープをしまって、もうこのままクライミングシューズでと言うことで、歩き出す。
先ほどより、深い胸あたりまでの笹の藪漕ぎ。
ひたすら。
ひたすら。
稜線付近は、ガスの中。振り返ると、谷にはガスがない。湯檜曽川も見える。

下は晴れているのにな

ただ、目指す方向はなんも見えない。あとどんなもんなんだろうか?
AKIRAすたすた。
ひたすら、藪漕ぎ。
笹、笹、がさがさ、笹、笹、ささささささささ
あーさささ

パンダだってそう思うよ
きっとさ

わたしゃ、笹なんて食ってないけどね。

AKIRAが立ち止っている。止まらない男、それがAKIRA!
ということはだ!?
ついに、我々は稜線に抜けた!

ついに稜線へ!

宇宙へ・・・そして、我々は宇宙になった!

ないない。
んなぁこたない。宇宙にはならない。

稜線は風が強く、すでにガチガチになった体には辛い。
おいさんの体は、すでに辛い。
一ノ倉避難小屋で休憩することに。

おれん家

あったけぇー!風が無いだけでほんと暖かい。
ギヤを片付けて、軽く食事をして、靴下履いて、さぁ帰ろう!

この天気の中でも、一ノ倉岳方面に向かう団体さんがいることにビックリ。
途中あった方が言うには、頂上あたりは朝方雪が降っていたとの事。
さみーさみー。

一人通過を待てば、次から次へとぞろぞろと、聞いたら36人だったよ。
オキ、トマでは、人がわんさかいて、写真の順番待ちの列。

オキでーす

トマでーす

 

 

 

 

 

それを横目に、降る。
西黒尾根に入って、人が少なくなるかと思えば、結構いる。登るひと降る人。
そして、滑って吹っ飛ぶ人は、ワタシだ!

振り返り天神尾根を見ると、熊穴の小屋あたりで紅葉が進んでるようだ。
しかし、人の紅葉の方がものすごい数。ビバ!山ガール!

トレランシューズに履き替えたので、やたらめったら滑る。
なので、一ノ倉登ってきたとは思えないほどの、引き腰。ひひひ。
でも、たまにトゥルッ!となるが、
必殺「滑っても転ぶ前に次の足出せばイインダピョーン」を駆使して、ダウンゼロ。

厳剛新道から行こうと、分岐で左に。
また岩、岩、岩。疲れたよ。

ビュリフォー
マチガ沢

AKIRAすたすた。

もういいやと、たらたら歩いて、やっとこ付きました。マチガ沢出合に。

あなたを僕は忘れない

まゆみと言う名で18で

いやぁー疲れました。あとは、ぺたぺた歩いて、慰霊碑の真っ赤なロードスターに到着。
14時でした。10時間ですな。

帰りに、土合の駅にチームヒマラヤノKさんがいたので、車から声かけたら、
大うけしとりました。
まぁ、そりゃぁ、坊主頭のおっさん二人が、真っ赤なロードスターに乗ってりゃね!
か、か、かっこいいぢゃん!?

おっさん達が駆るよ!

お疲れ様でした。ほんとつかれた。

帰って、足を見ると霜焼けになっておりました。
アブナイアブナイ、イカンイカン

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2 thoughts on “谷川:一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜

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